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「どういうことか説明してくれるかね?」
俺は上司の鋭い視線を直視しないように目を逸らした。
俺が、報告書を提出するといつもこれだ。
事件を解決しようと、しまいと必ず怒られる。
「なぜ、君が行っていてこんな事件が起こるんだね?こういったことを止めるために行ったのではなかったかね?うん?」
「で、ですが……」
行ったばかりだったんだが……。
「言い訳は聞きたくないね」
なんなんだ……。説明しろって言ったのはあんただろーが。
「とにかく、早く解決しなさい。これ以上被害者が出るようなら、君にもそれ相応の処分が待っていること、覚悟しておくように」
「はあ……」
俺は軽く一礼してから、部屋を出た。
あんな重苦しい空間は苦手だ。
敬語も苦手だから、必然的に口数が少なくなる。そして、激しくストレスがたまる。
そんな時の発散法はやはりこれだろう。
「ギャー!不知火先輩!ギブ!ギブです!もう無理ぃ!!!」
「ハハハハハハッ!お前は甘い!俺がもっと鍛えてやる!」
そう、後輩にプロレス技をかけることだ。
「ギャーー!」
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