恋と友情と空回る思い

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北医大病院の建物はとても大きく、地元の市立病院とはまるで比べものにならない。 敷地の中央を抜ける遊歩道には医学部や看護学科の学生たちが集まり、その脇を市民がゆっくりと通り抜けて行く。 大きなガラス張りの自動ドアを抜け、病院の中へと入っていった私。 6歳の頃に一度来ているはずの場所なのに。 その当時の記憶は私の中に微塵も残っていない。 ここに来れば何かを思い出せると思っていた。 だけど幼い頃の記憶なんて、成長と共に少しずつねじ曲がっていくものだから・・・。
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