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「……随分焼けたね」
「えー、そうですか?」
お酒を飲んで赤いのか、焼けて赤いのかわかりにくいけれど。
「木崎さんこっち来てくださいよー」
と、腕を引っ張られて連れて行かれる。
「何?」
向う先は小川の同期達が数人で丸くなっている場所。
既に空き缶が大量に転がり、皆出来上がっていた。
ジリジリする日差し、水分補給のビール。
脱水症状大丈夫かな?と心配になる。
「待ってました」
「木崎さんだ」
何故か好意的に迎えられ、席に座ると乾杯を求められた。
随分楽しそう。
それにしても、小川の同期達がどうして私に親しみを持ってくれているのか分からない。
関わりなんてほとんど無い。
「俺、本当木崎さんの事格好良いって思ってます」
「俺もです」
「あの羽山をフったなんて
マジ格好良いっす」
「……え?」
他の人達が、そうそうって盛り上がっている。
私は小川の袖を引っ張った。
「ねえ、何の話?」
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