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契約書
木崎知和(以下これを甲とする)は
羽山理央(以下これを乙とする)と
2人の時、一度は我儘を言う。
甲は私的時乙を名前で呼ぶこととする。
期間は本日より甲に想い人が出来るまで、又は乙より申し出があった時に終了となる。
「こんな感じでどうでしょうか」
「……ほんと、綺麗な字書くよね」
内容の事には触れないで違う所に着目する。
それが先輩らしいけれど。
「この私的時(プライベート)の名前は、私だけのルール?」
用紙から視線を上げてこちらを見た。
「……呼んだ方がいいですか?」
「私だけだとバランス悪くない?」
「じゃあ、合わせます」
「…………」
先輩はつまんだ契約書をペラペラと揺らしながら「ふーん」と、呟いた。
こんな事始めから止めておけば良かったんだ。
いずれ後悔する事を
予想していながら
それでも
止める事なんて
出来なかったんだと思う。
ささめごと5END
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