第1章

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「何が?」 その間も指の間に羽山の指先が侵入してくる。 表情に出ないようにするのが精一杯だ。 「聞きましたよね?」 質問に質問で返されたけど、言っている事は分かった。 「……ん、まぁ、そういう事かと納得した」 「……」 「ほら、やっぱり羽山が人に好きだなんて」 「でも、嘘は言ってません」 「……」 私を好きだと言った事 そして その理由が私が羽山を好きにならないから、という事を指しているのか? 「そ、か」 視線を落として羽山の顔から目を逸らした。 その時 不意に離された手に反応して 私は落とした視線を羽山の手に戻した。 「……あ」 ぐいっと手首を掴まれたかと思った時には身体が持ち上げられ、気付けば羽山の膝の上に横座りで乗るような形になっていた。 「羽山……」 腰の後ろに回された手に体はロックされていて、離れるに離れられない。 顔の距離が近すぎて思わず顔を背けた。
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