第1章

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パチパチパチ… 今日は、一生に一度の卒業式。 「…この6年間の思い出を胸に、今日、私たちは卒業します」 学年代表が、答辞を読み上げている。 あの子、うちのクラスなんだよな。 さすが、優等生。 「ねーねー」 話しかけてきたのは、親友のあみ。 「ん??」 「…やっぱ、後で言うわ」 「なんやねん!」 卒業式が終わり、写真撮影。 ちなみに、背の順で言うと、私はまんなかから少し前。 そして。 私のとなりは、 櫛田英寿。 私よりも、もうちょい背が低い男子。 とはいえ、櫛田はサッカーを習っている。 うちのクラスには、サッカーを習っている男子が6~7人はいた。 そのせいか、噂のイケメン軍団がそろってしまったのだ。 主にモテてるらしいのは 西野隼平、辻本航太、鎌田雄大、などだそうだ。 この3人が揃うなんて、奇跡!とか言う人もいたっけ。 まぁ、そんなことは置いといて。 「ふぁーーやっと終わったぁ~」 よし、写真撮影もしたし。 そろそろ帰ろうかなぁ。 「なぁ」 「ん?… うわぁ!」 「なんだよ、急にビックリしやがって」 「ってゆーか、私になんですか?」 「これ、書いて。あとお前だけだから」 渡されたのは、卒業アルバム。 このアルバムは、うらに寄せ書きコーナーがあって、みんなのメッセージを残せるっていうのがある。 櫛田、まさか、私以外の全員に書いてもらったんじゃ… 櫛田のアルバムには、コーナーをはみだし、ギリギリまで書かれていた。 「よく、集めるよね、こんなの…」 「おい」 「うわぁ!」 「俺が話しかけるたびにビックリすんな」 「すんません」 「で、書けた?」 「あ、まだ」 「早く書いてや」 「ほーい。あ、櫛田!」 「なに?」 「このスペース、なんなん??」 櫛田のコーナーには、ぎっしりメッセージが書かれているなかで、あるところだけ、スペースが空いている。 「あぁ、それ。お前が書いていーよ」 「え、いーの?」 「うん」 「ほんじゃ、書きますか~」 ささっと櫛田へのメッセージを書き終わり、はい、と渡して親友のあみと一緒に帰った。
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