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パチパチパチ…
今日は、一生に一度の卒業式。
「…この6年間の思い出を胸に、今日、私たちは卒業します」
学年代表が、答辞を読み上げている。
あの子、うちのクラスなんだよな。
さすが、優等生。
「ねーねー」
話しかけてきたのは、親友のあみ。
「ん??」
「…やっぱ、後で言うわ」
「なんやねん!」
卒業式が終わり、写真撮影。
ちなみに、背の順で言うと、私はまんなかから少し前。
そして。
私のとなりは、
櫛田英寿。
私よりも、もうちょい背が低い男子。
とはいえ、櫛田はサッカーを習っている。
うちのクラスには、サッカーを習っている男子が6~7人はいた。
そのせいか、噂のイケメン軍団がそろってしまったのだ。
主にモテてるらしいのは
西野隼平、辻本航太、鎌田雄大、などだそうだ。
この3人が揃うなんて、奇跡!とか言う人もいたっけ。
まぁ、そんなことは置いといて。
「ふぁーーやっと終わったぁ~」
よし、写真撮影もしたし。
そろそろ帰ろうかなぁ。
「なぁ」
「ん?… うわぁ!」
「なんだよ、急にビックリしやがって」
「ってゆーか、私になんですか?」
「これ、書いて。あとお前だけだから」
渡されたのは、卒業アルバム。
このアルバムは、うらに寄せ書きコーナーがあって、みんなのメッセージを残せるっていうのがある。
櫛田、まさか、私以外の全員に書いてもらったんじゃ…
櫛田のアルバムには、コーナーをはみだし、ギリギリまで書かれていた。
「よく、集めるよね、こんなの…」
「おい」
「うわぁ!」
「俺が話しかけるたびにビックリすんな」
「すんません」
「で、書けた?」
「あ、まだ」
「早く書いてや」
「ほーい。あ、櫛田!」
「なに?」
「このスペース、なんなん??」
櫛田のコーナーには、ぎっしりメッセージが書かれているなかで、あるところだけ、スペースが空いている。
「あぁ、それ。お前が書いていーよ」
「え、いーの?」
「うん」
「ほんじゃ、書きますか~」
ささっと櫛田へのメッセージを書き終わり、はい、と渡して親友のあみと一緒に帰った。
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