218人が本棚に入れています
本棚に追加
「感謝はされても、そんな悪態つかれる覚えはないけど?」
晃志の眉間のシワがムカつきを表す。
……か、" 感謝? "
「何言ってんのよ?…わたしに、あんなことしといて…」
手当てしときながら、
暗闇の中の、矛盾で卑劣な行為……。
_____まだ覚えてる………。
冷たい手の感触、
まだ、汚されたことなかった、
" 女 "への入り口への【土足】。
痛かったのに、声さえかき消された。
「…あんなこと?
処置がまずかったって言いたいのかよ?」
学校へ向かう学生たちが言い合う2人をジロジロ見る。
「あんたにとっては軽い行為だったかもしれないけど、
わたしは初めてだったんだから」
「え」
いつの間にか、悔し涙がポロポロ出てきていた。
「あんたなんか死ねばいい!」
……人生において
一生使わないと思う言葉を、晃志に放って、
ひたすら走って、私は学校に向かった。
_____涙が止まらない―――
最初のコメントを投稿しよう!