ツインズハート

5/31
前へ
/31ページ
次へ
「感謝はされても、そんな悪態つかれる覚えはないけど?」 晃志の眉間のシワがムカつきを表す。 ……か、" 感謝? " 「何言ってんのよ?…わたしに、あんなことしといて…」 手当てしときながら、 暗闇の中の、矛盾で卑劣な行為……。 _____まだ覚えてる………。 冷たい手の感触、 まだ、汚されたことなかった、 " 女 "への入り口への【土足】。 痛かったのに、声さえかき消された。 「…あんなこと? 処置がまずかったって言いたいのかよ?」 学校へ向かう学生たちが言い合う2人をジロジロ見る。 「あんたにとっては軽い行為だったかもしれないけど、 わたしは初めてだったんだから」 「え」 いつの間にか、悔し涙がポロポロ出てきていた。 「あんたなんか死ねばいい!」 ……人生において 一生使わないと思う言葉を、晃志に放って、 ひたすら走って、私は学校に向かった。 _____涙が止まらない―――
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

218人が本棚に入れています
本棚に追加