誘引

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「母さんをあんまり責めるなよ」 「!」 晃大が私の横に座る。 「……………………」 やっぱり、身体が萎縮して、声が出なくなってしまう。 「傷、治った? 肘を見せて」 そう言うと、私の腕にそっと触れ、 「健康的な腕だ」 と、 自分の青白い、細い腕と比べる。 ……女性の身体みたいだ。 さらに、 「俺は もうこれ以上、大きくならない。」 ……続く悲観的な晃大の言葉に、胸がとても苦しくなる。 心臓が悪い子供は、成長が悪かったりすると、聞いたことがある。 「今日、病院だったの?治療をしてるの?しないと、発作がくる?」 生まれた時からの病。 一生、 付き合っていかなきゃいけない病。 「……うん。成長する度に発作が多くなる。 "大人"になる前に死んじゃうかな…」 晃大の 答えにならない真実に、 私は何も言えなくなった。 「なぁ」 「……なに?…」 ____だから、突き放せない。 「絵のモデルになってよ」
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