誘引

8/24
前へ
/24ページ
次へ
晃志からの練絡がないまま、 私は通された和室で、息苦しく携帯を握りしめた。 「晃志の知り合いだったのね」 出された冷たいレモンティ。 「あの」 私は一口飲んで口を開いた。 「晃志くんは、コーチと険悪なんです」 若く、きれいな母は、2人によく似た横顔で 「私のせいね……」 と呟く。 「晃志くんが知ってるのに、まだ続けるんですか?」 大人の事情なんか、わからない。 ただ 晃志を もっと見てあげてほしい。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

118人が本棚に入れています
本棚に追加