悲劇Ⅱ

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……ガタタン 朝、混み合った列車のなかで 夏服で乗車する、晃志の姿を見つけた。 そして、運良く座席に座れた私の前に無言で立った。 「……おはよ」 見上げると 晃志の顔………少し怒ってた。 「昨日、駅で待ってたんだけど…メールも電話も来ないし」 ガタタン 揺れがひどいカーブ、 晃志の手すりを持つ手が力が入り、 その腕に筋肉質の男らしさが見えた。 " 俺はこれ以上大きくならない " そう言った、晃大の白い細い腕を思い出す。 「美咲きいてる?」 「………あ、ごめん! 昨日先生に捕まっちゃってメールもできなかったの」 適当な嘘をついた。 「……そっか、 そいや藤沢って三年生知ってる?」 !ズキン! 昨日の駅の光景を思い出す。 「俺のコーチの娘さん、K女子みたい」 「………」 あなたを キライだと、そう言って 私にキスした女の子よ 「意外に感じよくて、 美咲とも知り合いだって言ってた」 胸が ズキズキする。 ____" 感じよくて " 藤沢さん何を考えてるんだろう? 「帰り、今日こそ一緒になろうな」 晃志の満面の笑顔が、今の私に罪悪感を与えた。
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