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" 初めて "じゃないのに、痛かった。
この行為が気持ちいいなんて
そんなこと感じる日が来るのかな…
終わると、
晃志は何も言わずに一階に下りていった。
「………」
雨音がひどくなってる……。
しばらくすると
" エストレヤ "のエンジン音が聞こえ、
勢いよく遠くに消えてしまった。
部屋中の黒く光る揚羽蝶が
今の惨めな私をあざ笑ってるみたいに
見える。
……その日
晃志の心の" 闇 "が、
晃大の持つそれより、かなり深いことをはじめて知った。
私は
今まで、
晃志の輝かしい一面しか見えていなかったんだ。
そんな晃志の" 傷 "を深くえぐろうと、
うろつく黒い影に、
その時は気付いていなかった。
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