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晃志が戻らないまま、30分ほど経過し、
私は痛む下半身をかかえ、玄関に下りた。
「あら、あなた」
丁度、晃志のお母さんが帰宅して来たところで、
おばさんは少しやつれた感じになっていていて、
あまり私には関心がなさそうに自宅に上がった。
「晃大くん…大丈夫ですか?」
「………一度退院はすると思うけど、あまり良くないのよ…」
「……また入院するんですか?」
晃志が言っていた、
" 次発作きたらヤバい " を思い出す。
「治療法が日本では難しいから、
それが受けられなければ、日常生活を普通にあとどれくらい送れるか……今はわからないの」
…………″あと、どれくらい″…………?
「あ、あなた、傘は持って行かないの?」
「…………お邪魔しました。」
双子の母親に、会釈をして外に出た。
____……晃志と晃大
2人とも繊細だ。
私みたいな人間は近付けばきっと傷つけてしまう。
雨で
その汚い部分
洗い流してくれたらいいのに………
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