永遠に

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私は、 深い眠りから目を覚ましたように、ゆっくりと目を開けた。 長い、悲しい夢を見てたみたい。 ……白い天井に 細長い蛍光灯。 " 自分の部屋じゃない " かすむ目をこすろうと、右手を上げると、思うように動かず、チクッとした。 「………いたっ………」 その痛みの箇所を見ると 点滴の針が刺さり、腕に包帯が巻かれている。 首をゆっくり動かすと そばで 母が、ウトウト座ったまま寝ていた。 胸にたくさん何か貼られている テレビで見るような心電図……… ここ 病院? 私、どうしたんだっけ? 「……おか…さん」 やっと、カラカラの喉から声が出た。 「……美咲?」 お母さんがはっ!としたように目を覚まし、ナースコールを必死に押す。 「田島さん、どうされました?」 頭上から声がする。スピーカーのようなこもった声。 「娘が、 美咲がやっと目を覚ましたんです!」 わたし どうしたんだっけ?
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