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「この赤い蝶を見て、
田島さんが学校に残して置いた"絵"を思い出したんだ」
そう……あのとき
私は……
私も、
"晃志"を赤いアゲハ蝶として描いた。
「私は、田島さんのあの絵が、誰にも目に触れずお蔵入りするのが残念で
今回、こちらに置かせて頂いたんだ」
「え」
巨大なキャンパスの裏に、
自分が描いた、
【永遠に】と名付けられた作品が展示されていた。
「……………」
「亡くなった、中村晃志くんを思い描いた絵だね?」
私はコクンと頷き、
胸の中が熱くなるのを感じながら、
さらに足を進ませ、
晃大の芸術を閲覧していく。
「これが、大賞受賞作品だよ」
先生が手招きし私を呼んだ。
「…………え」
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