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「これが大賞受賞作品だよ」
先生が教えてくれた、その作品、
【光】と題名がついた絵…。
「この、9年前の作品から、晃大くんの絵はとても優しくなったね」
その、キラキラとまぶしい作品を前に
息を飲む…____
「………………晃志」
光を浴び、穏やかに 幸せそうに目を閉じて
眠っている "晃志" の顔だった。
「……亡くなったお兄さんだよね?」
先生も言葉を詰まらせる。
「……はい、
……晃志です。」
『死人とは思えない、幸せそうに眠ってた』
たしか、藤沢さんがそう言っていた。
晃大……
見たわけじゃないのに…………。
「………生きてるみたい」
私は、思わず触れたくなるほどリアルで美しい絵の、
唯一愛した、
18歳の恋人の前で
涙が止まらなくなった。
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