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哀原サトシと大野アリア
二人に、ある日突然訪れた
別れを告げるシグナルと
心から想う人への愛に触れた物語
伝えたい想いが
命を呼び覚ます奇跡を運んだ
二人は、幼なじみという関係だった
時には口喧嘩をしたけれど
とても仲が良かった
今は二人とも高校二年生
そして
二人は頭脳明晰、運動神経抜群の優等生であり
且つ、学生や近所の人からも評判が高かった
ある日のこと
学校帰りの帰路の最中でアリアが
「二人で、どこかへ出掛けない?」
そう言った。
サトシは答えた
「いいよ」
「…ダメなのかO.K.なのかどっちよ」
「勿論O.K.さw」
「そ♪じゃあ、来週の休日ならいい?」
「あぁ、その日は空いてるからな!」
「よかった、じゃあまた連絡するね」
「うん、そうしようか、じゃあな!」
「うん、またね」
そうして二人は別れ
それぞれの家路へ足を運んだ
帰って早速、二人は連絡を取り合った
お互い、内心とても嬉しかったようだ
当日─
二人はある場所にいた
そこは、誰もが知っているであろう有名な観光地としてお馴染みの、ディズニーランドだった
二人で行ったのはこれが初めて
様々なアトラクションを楽しみながら
その魅力に浸っていた
やがて、二人の時は過ぎていった
日が傾いてきた頃だった
サトシはアリアに話し掛けた
「時間って、楽しいとホントあっという間に過ぎるよなぁ、もっと楽しみたいのにさ」
アリアは答える
「私もだよ、でも、明日用事あるし…」
初めにデートに胸を躍らせていた二人の表情とは一変して、憂鬱に駆られているようだった
その空気を変えるようにサトシは
「まあ、楽しめたし、また行けばいいさ」
そう言った
「そだね、今日はありがと!とても楽しかった」
アリアも再び笑顔へ戻った
そして
二人は思い出を残した楽園を背に
その場を後にした
帰り道─
二人はバスに乗っていた
疲れ果てたのか、アリアは眠りについていた
サトシの肩へ頭を寄せていたため
彼は顔を赤めながら少し困っていた
それとは裏腹に、アリアの寝顔を見ながら
「アリアの寝顔からは、何か優しいものを感じるんだよなぁ、温もりというか、なんというか…、ってなんか変かなこれ」
そう思いつつ安堵していた
その安堵の果てに
アリアの頭へ頬を寄せて
サトシも眠りについてしまった
仲のいい幼い兄妹のように
二人はくっついて眠っていた
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