逃亡の姫君

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「ユウナ様!」 赤茶色の綺麗な長い髪を後ろで止めてくくり、水色の瞳を持つ女性、リグレットが剣を持ち、ユウナ達の後ろから駆けてくる。 混乱の中、 ユウナ達の目の前には 銃を構えた敵達が待ち受けている。 「邪魔だ。道を開けるのだ!」 ユウナは手の平から火の玉をはなち、敵を炎で包む。 「ユウナ様、あまり魔力をお使いにならないようにしてください。すぐにばてますよ!」 そう言い、リグレットはユウナに剣を渡す。 「ありがとう、リグレット」 ユウナは剣を腰につける。赤い鞘には真っ赤な宝石がはめられ、刀身はまばゆい光を放っている。 「西から敵が来ているとなると、」 「あいつらが簡単にくたばるはずがない!」 ドラメトスが言うことに割り込んでユウナは言い放った。 この赤い城壁のイカルガ城の西の城にはユウナの部下がいるのである。 西から敵襲をうけているということは既に西の城は陥落している可能性が高い。 ユウナ達は城を出た。 既に城の周りは敵に囲まれていた。 「東に向かって進む。」 ユウナは真っ赤な毛並みの馬に乗り、馬の頭を東に向ける。 この馬はユウナの愛馬のリィーである。 「お待ちください!」 ドラメトスが右手を広げ、ユウナ前に出して止める。 「何故だ?何故止める?」 ユウナは声を荒げて言う。 「先ほどユウナ様が倒された敵の装束をご覧になりましたか?あれは……パープル軍の物でした。これはクーデターの可能性があります。また東は本城があります。恐らくそこは既に敵の手の内に。」 バープル軍とはユウナの腹違いの姉コーネリアの私兵軍団である。
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