逃亡の姫君

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「騒動で忘れていた」 ユウナはその銀色の髪の青年、ゼクロに近づき、剣で縄を切り、解放した。 「ユウナ様、よろしいのですか?この者の縄を解いて」 「お前!ここから立ち去れ!すぐにここも戦場になるだろう」 ユウナがゼクロに言う。 「あなたに敗れ、情けをかけられ…また、この騒動で死すべき所をあなたに命を救われた。よろしければ、あなたの元で仕えたいのですが、付いていっても構いませんか?この御恩お返しいたします」 ぜクロが言う。 「構わん!好きにしろ」 ユウナは少し微笑む。 「ありがとうございます」 ぜクロは涙を流しながら言った。 「とりあえず、ここから逃げましょう。そろそろ追っ手が」 ドラメトスは背後を気にしている。 3人は馬を駆けて、南の森の中へ入っていく。
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