逃亡の姫君

7/12
前へ
/541ページ
次へ
暗闇の中の森はとても静かで、 空には満月が輝いている。 ふと、木の上に人の気配を感じたユウナは馬を止め、木の上を見上げた。 「奴は!」 ぜクロが言った。 「ふっ、カサブランカのぜクロか。何故こんなところに?」 木の上の男が言った。 その男は黒いローブに身を包み、 竜を象った兜を着けている。 その後ろには2人の人の姿も見える。彼らも獣のような仮面で顔を隠している。 「奴の目を見てはなりません」 ドラメトスがユウナに言った。 ユウナは首をかしげる。 「何故?あやつは何者だ?」 「また、後で説明しますので、ここは奴らを倒してから、先に進みましょう」 ドラメトスは剣を構えた。 「倒す?ドラメトスよ。私に簡単に勝てると思っているのか?」 仮面の男が言う。 「その旗は…ルビーの将旗…ユウナ・レイ・ホウセンカかな!?せっかくの継承式が血の祭りになるとはね」 仮面の男が続けていった。 「くっ、こいつ!」 ユウナは剣を構える。
/541ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加