一緒に生きていこう

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「そんなに俺って信用ない? 先輩の中に、俺と一緒に育てるって選択肢はなかったの?」  顔を上げて驚いた。上村は何かに耐えるような顔をしていて、直視できなくて私はまた視線を落した。  たぶん私は、これ以上にないやり方で上村を傷つけた。でも……。 「俺は……言って欲しかったよ。ちゃんと二人で考えたかった。しんどい時はちゃんとしんどいって言えってあれほど――」 「じゃあさ」  上村の言葉を遮ると、私は大きく深呼吸をして、上村を正面から見据えた。   「……じゃあ、上村は私にも分けてくれる? 思ってること自分一人で抱えこまないで、私にも全部さらけ出せる? 家族になるってそういうことなんだよ。 私は母さんとずっとそうやって生きてきたの。嬉しいことも悲しいことも何もかも全部、分け合って支え合ってきたの。 私にとっての上村がそうであるように、上村にとって心許せる人は私であって欲しいの。私だけがそう思っていてもだめなんだよ。 ……そんな覚悟、上村にはある?」 「俺は……」  瞬きもせずに私を見つめていた上村が、ふいに目を逸らした。
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