嵐の前触れ

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「もう! そんなに冷めてるの三谷さんだけですよ。きっとこれから面白くなりますよー。美奈子なんてすでに目の色変えてるし」 「……ふうん」  響子はただこの騒ぎを面白がってるだけか。別に上村狙いってわけじゃないんだ。  でもここで反応すると、ゴシップ好きの響子の口はたぶん止まらなくなる。  仕事の邪魔をされたくない私は、わざとそっけない返事をした。 「ふうんって、三谷さん興味ないんですか?」 「ないなあ」 「もうっ、つまんない! 三谷さんに話を振った私が悪かった。もういいですっ」  ふくれっ面でそう言うと、響子はつまらなさそうに自席に帰っていった。
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