5人が本棚に入れています
本棚に追加
軍のコンピュータと切り離しはしたが、上書きする場所は何処にするか・・・
いや、しないでいいか。
「破壊するのか?」
「そうする。奴に見つかって悪用されたらどうしようもない」
それで短かな人間が危険に侵されるならば、兵器なんて要らない。
「いいんじゃないの、それでさ」
神も俺の意思に同調しているようだ。
「さて、と。こちらの話もさせてもらおう」
「ああ。モルモットになる準備なら出来てるぜ」
良い気構えだ、と神は言うが、その表情は笑っている。否、嗤っている。
その思考は浅慮であると。
「・・・誰を実験台にする気だ。例えお前が神であろうと、俺の親しい人間を狙うなら許さない」
「おや、今のはわかるのか。説明が少なかったな、実験台はお前だよ。お前だけとは言ってないけど。詳しくは、お前の兄弟だ」
「何?」
俺には妹がいる。この世界のだ。
だが、何故奴は妹と言わずに兄弟としたのか。
「・・・兄さんは、死んだはずだ」
「あの世界では、な」
お前知らないのぷっぷくぷー!とでも言うかの如く口角が釣りあがっている。ムカつく。
「だったら言えよ・・・いや、聞いてないけど」
「そうだよ(便乗)。いや、まぁ、お前に言う暇も無かったしな。で、どう思うよ?」
どう思う、とは。主語って大事だな。皆は会話する時に忘れたりしないか?いや、作者だけか。
「メタいからやめろ。はぁ、まぁ、そうだな。お前を実兄と会わせたいんだけど、どう思う?」
ちゃっかり心を読んで来たが、もう慣れた。浅慮ならば教官に暴露たし、その場で取り繕うものならクラリッサに言及された。
「素直な話、兄さんには会いたい。が、」
過去の妄念妄執はたらればに繋がってしまう。
「ふーん。まぁ、拒否権は無いんだけどね」
やっぱりかこのヤロー。
最初のコメントを投稿しよう!