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早朝、俺は普段着でIS学園を出ようと着替えていた。
幼馴染からメールが届いている。どうやら俺が今何処で何をしているのかを知りたいらしい。
IS学園で生徒をしているが、野暮用で休学すると送り、俺はノートパソコンをアタッシュケースに入れた。
あいつは深くは聞かない奴だ、返信は来ないだろう。
さて、パスポートは持った。後は、指示されたポイントへ向かうのみ。
ISを見られないよう両手に手袋を装着して部屋を出た。
部屋を出ると、ジャージ姿の織斑が居た。
「おはよう十也・・・外出か?」
「ああ。二、三日休学する。祖国からお呼ばれでな」
勿論嘘だ。教官にもこう言ってあるが。
「そっか。大変なんだなぁ・・・頑張れよ」
こいつも何も聞かないからな、扱うのがとても楽だと思う。逆に惚れた女としては厄介なんだろうな。
「・・・ああ。お前も練習弛むなよな。三日後、今以上に弛んでいたら俺直々に扱いてやる」
引きつった笑みを見せたのは、きっと気の所為では無いはずだ。
俺はそのまま、出口へと向かった。
校門から堂々と出ると誘拐や尾行など問題が起こりそうなので裏門から出る。
タクシーを拾い、空港近くまで送ってもらう。
目的地に到着。金を払い、俺はタクシーを出て空港を目指す。
ニューヨーク行の便を予約し、その時間になるまで待機。
先ほど買った自動販売機のブラックコーヒーを飲み、時間が来るまで待つ。
そういえば、飛行機としては不自然な配色の機体が2機あるな。
何処かの国の自家用ジェットか?
片方にデュノア社のロゴが描かれているな。つまり、デュノア社の重鎮があのジェット機に乗ってきたんじゃないか?
デュノア社は第二世代型量産機『ラファール・リヴァイヴ』を製造し、いくつかの国がライセンスを取るほどの大手と言ってもいい。
表向きはな。
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