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「私一人でも十分だとは思いますが・・・一夏さんがそういうのならば仕方ありませんわね」
「サンキューセシリア」
そろそろ千冬姉が来る時間だな。居住まいを正しておこう。
「席に座れ、HRを始めるぞ」
推測通り千冬姉が教室に・・・ん?
IS学園の制服を着用した人達が三人教室に入ってきた。
「今日は転校生を三人紹介しまーす。自己紹介をどうぞ」
「はい。では『僕』から」
「皆さん始めまして。シャルル・デュノアです。同じ境遇の人達がここに居ると聞いて、転校して来ました。三年間、よろしくお願いします」
その男子は深々とお辞儀をし終えた後、黄色い声のスコールを浴びた。
「王子様!王子様系よ!!」
「お姫様抱っことか・・・あぅ」
「赤星君と織斑くんでデュノア君を取り合う・・・捗る!!」
なんか変な内容も聴こえたが聴かなかったことにしよう。十也も忘れておけとか言ってたし。
「ぁ、ぇ、えっと・・・」
シャルルは慣れないのか苦笑いを浮かべている。
そして女子たちは千冬姉によって鎮められる。いつものパターンだ、もう慣れたもんだな。
「ではヒルデガルトさん。自己紹介をお願いします」
山田先生によって名前を呼ばれた女子が前に出る。
「我が魂に刻まれた真名を呼ぶか。・・・ふっ、いいだろう。我こそは“先走る勝利(ラウンド・ゼロ)”ヒルデガルト・ハウザー。ククク、恐れ慄いたか?」
顔の左半分を手で隠し、妖しい笑みを浮かべて変なポーズをとっている。
「「「・・・」」」
俗に言う、中二病、という奴だろうか。
「あ、あれ?自己紹介って確かこんな「おいハウザー」あ、教官!何ですかその冊子、凄く固そうなんですけど「ここでは織斑先生だ。それに、自己紹介くらい真面目にやらんか、馬鹿者!!」うにゃぁぁぁああああ!!」
千冬姉の出席簿アタックがヒルデガルトに直撃し、空いていた教室の扉から外に吹き飛ばされた。
お、恐ろしいぜ・・・二つの意味で。
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