5人が本棚に入れています
本棚に追加
千冬姉が珍しく溜息を吐いていた。
「私から補足しておくと、ハウザーはドイツの代表候補生で専用機持ちだ。今から自己紹介してもらうラウラ・ボーデヴィッヒと同じく、な」
専用機持ちが、一組だけで5人も・・・大丈夫なのか?均衡的に。
「さて、ボーデヴィッヒ。自己紹介しろ」
「はっ、教官」
教官、と言うことは、ヒルデガルトと同じく・・・
千冬姉は苦虫を潰したような顔をしているが・・・
「私はドイツ連邦共和国代表候補生、ラウラ・ボーデヴィッヒだ」
教室中が、彼女の凍てつく雰囲気によって支配される。
「あ、あの、ボーデヴィッヒさん?他には何か・・・」
「以上だ」
あ、何か親近感が湧いて来た。
そうそう、あるよな。たぶん彼女の凍てつく雰囲気は緊張しているだけなんだろう。きっとそうだ。俺もそうだったからな。
うんうん、と頷いていると、ラウラの奴が俺の顔を見た。
「貴様が・・・ッ!!」
ラウラはズカズカとブーツで俺に歩み寄って来た。
「ん・・・痛っ!何す」
突然張り手を喰らい、虚を突かれたが、俺がラウラの顔を見たとき、言葉が出なくなった。
「私は、私は認めないぞ!貴様如きが教官の弟など・・・絶対に!」
圧倒的な怒りが、心の底から煮え滾っている。そんな感じがしたのだ。
表情の変化は微細ではあったが、俺にはわかる。いや、わかってしまった。
「くっ・・・」
打たれた頬が痛む。さすっていると、もう一人、近付く人がいた。
シャルルだ。
「織斑くん、大丈夫かい?ハンカチ貸そうか?」
「いや、大丈夫だ。心配してくれてありがとう。えーっと、デュノア」
以前は十也には怒られたから、少し距離を置いて話を進める。
三人目だからなー、十也はまだ何処か余所余所しいけど、今度こそはきっちり仲良くなってやるぜ!
最初のコメントを投稿しよう!