三人の転校生ー雨と、風と、太陽ー

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千冬姉が珍しく溜息を吐いていた。 「私から補足しておくと、ハウザーはドイツの代表候補生で専用機持ちだ。今から自己紹介してもらうラウラ・ボーデヴィッヒと同じく、な」 専用機持ちが、一組だけで5人も・・・大丈夫なのか?均衡的に。 「さて、ボーデヴィッヒ。自己紹介しろ」 「はっ、教官」 教官、と言うことは、ヒルデガルトと同じく・・・ 千冬姉は苦虫を潰したような顔をしているが・・・ 「私はドイツ連邦共和国代表候補生、ラウラ・ボーデヴィッヒだ」 教室中が、彼女の凍てつく雰囲気によって支配される。 「あ、あの、ボーデヴィッヒさん?他には何か・・・」 「以上だ」 あ、何か親近感が湧いて来た。 そうそう、あるよな。たぶん彼女の凍てつく雰囲気は緊張しているだけなんだろう。きっとそうだ。俺もそうだったからな。 うんうん、と頷いていると、ラウラの奴が俺の顔を見た。 「貴様が・・・ッ!!」 ラウラはズカズカとブーツで俺に歩み寄って来た。 「ん・・・痛っ!何す」 突然張り手を喰らい、虚を突かれたが、俺がラウラの顔を見たとき、言葉が出なくなった。 「私は、私は認めないぞ!貴様如きが教官の弟など・・・絶対に!」 圧倒的な怒りが、心の底から煮え滾っている。そんな感じがしたのだ。 表情の変化は微細ではあったが、俺にはわかる。いや、わかってしまった。 「くっ・・・」 打たれた頬が痛む。さすっていると、もう一人、近付く人がいた。 シャルルだ。 「織斑くん、大丈夫かい?ハンカチ貸そうか?」 「いや、大丈夫だ。心配してくれてありがとう。えーっと、デュノア」 以前は十也には怒られたから、少し距離を置いて話を進める。 三人目だからなー、十也はまだ何処か余所余所しいけど、今度こそはきっちり仲良くなってやるぜ!
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