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「「いただきます」」
私と愛翔は美味しそうなお好み焼きを目の前に、両手を合わせる。
三人はそんな私達を無視し、すでにお好み焼きを頬張っている。
「美味しい」
愛翔の言葉に三人がギロリと睨む。
「お前、本当に女みてぇだな。そんなんじゃ、咬風にヤられちまうぞ」
マジで?
愛翔は童顔で可愛いけど、正真正銘男だ。
「咬風ってそんなにすげぇのか?」
私は嵐に問い掛ける。
「関東一の暴走族だ。副総長である情念厚牙(じょうねんあつき)と刃芝要(はしばかなめ)は、狂犬と恐れられている」
「狂犬…」
「愛翔、咬み殺されねぇようにしろよな」
「…ぅん」
愛翔は視線を伏せ、遠慮がちにお好み焼きを口に運んだ。
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