ヤンキーの巣穴

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「嵐、同じクラスだな」 茶髪のヤンキーが城ヶ崎の肩に手を回した。 「良矢、暑苦しいからやめろ」 「見たことねぇ面だな。俺は別所良矢(べっしょよしや)。夏中だ。お前は?」 「俺は幸田羽瑠」 教室内ではヤンキー同士が喧嘩を始めた。赤髪のキツイ目つきをした男子が、リーゼントの男子に飛び蹴りをした。 ドミノ倒しのように、机がガタガタと音を立てて崩れる。 周囲の男子が二人を囃し立てる。 「やれやれー!」 赤い髪の男子が床に突っ伏した男子の顔をスニーカーで踏みつけ、不敵な笑みを浮かべる。 赤い髪が炎に見えた。 「大地、そのへんで止めとけ。入学式の日に停学になるぞ」 城ヶ崎に大地と呼ばれた男子が私に近付いた。 「お前見掛けねぇ顔だな」 「こいつは幸田羽瑠。インテリア科には珍しいタイプだろ」
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