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【羽瑠Side】
恵比寿で電車を降りた俺達は、五人で駅前のカフェ『つぼみ』に入る。
ていうか、せっかく両手に花だったのに、瑠羽と愛翔はよけいだ。
「瑠羽と羽瑠さんそんなに似ていたら、ご両親も間違えるでしょう」
「うん間違える」
「うん間違える」
同時にハモり、思わず顔を見合せる。
「真似しないで」
「真似しないで」
ゲッ…
まただ。
蘭子とひとみは上品にクスクスと笑う。
「面白いね。本当に双子だ」
「どこが」
「どこが」
…っ、最悪だ。
「瑠羽何にする?私カフェオレ」
蘭子はカフェオレを注文し、ひとみはアイスレモンティー。
「私もアイスレモンティー」
「瑠羽、レモン苦手でしょう。ミルクティーにすれば?」
「そうだよ。瑠羽酸っぱいもの苦手だろ。瑠羽は甘党。波瑠は酸味があるものが好きだよね」
愛翔の言葉に、俺に扮した瑠羽は『シマッタ』と顔を歪めた。
俺は瑠羽を完璧に演じているのに、何やってんだか。
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