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「うっす」
「おぅ、大地、良矢」
「何だ、あの落書き?」
「二Aの狂犬だよ」
「情念と刃芝が何で一年に?」
「このクラスのアホが狂犬を怒らせたみてぇだな」
「どこのアホだ」
アホと呼ばれる度に、耳が痛む。
クラスの金田健(かねだけん)、吾川春貴(あがわはるき)が私に近付く。
金田はリーゼント。吾川はパンチパーマでサイドは七色のメッシュ。
「幸田、ちょっと顔貸せや」
「ヤだね」
私は奴等に背を向けた。
どうせロクな話じゃない。
「おい、羽瑠が嫌だっつってんだろ。うぜぇから散れ」
城ヶ崎の言葉に、金田がガンッと机を蹴飛ばす。
「てめぇやんのか!」
城ヶ崎と金田が鼻先を付き合わせ、睨み合った。
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