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「金田、羽瑠に何の用だ」
ドスのきいた声で、広基が金田に問う。
「理由は幸田が一番よく知っているだろう。なぁ幸田。北校舎の裏で情念さんがお待ちだ」
「情念?まさか、狂犬を怒らせたアホは羽瑠なのか!?」
三人が一斉に私を見た。
「お前、何したんだ?廊下で肩がぶつかったのか?電車で足を踏んづけちまったとか!?」
「ショボいな。ちげぇよ。昨日駅のホームで愛翔に絡むから、ちょっとな。注意したんだよ」
「注意?」
私は少林寺拳法の構えをしてみせる。三人はポカンと口を開け私を見つめた。
「ていうか、金田と吾川はアイツラのパシリか?」
「は?俺達がパシリだと?俺達は咬風―KAMIKAZE―だ。逆らう者はみんな潰す。幸田さっさと来いや!」
金田と吾川に腕を捕まれた私は、教室内で暴れることを躊躇し二人に従う。
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