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屋上で待っていると、愛翔がお弁当を大事そうに抱えて来る。
「愛翔、こっちこっち」
「羽瑠」
愛翔は私の前にペタンと座る。
「おい、愛翔。神風に変わった様子はないか?」
「昨日のことで情念君や刃芝君が一年の教室に行ったらしいね。でも安心して、もう波瑠に迷惑は掛けない」
愛翔はお弁当を広げ、おむすびをパクつく。
「愛翔…まさか。奴等に金を渡したのか!」
「…波瑠が僕のせいで神風君達に標的にされるのは見たくない。標的は僕だけで十分だ」
私と愛翔の話を聞きながら、パンをかじっていた嵐が立ち上がる。
「愛翔、いくら渡したんだよ」
「…いくらでもいいだろう。これは僕と神風君の問題だから」
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