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「もう愛翔だけの問題じゃねぇんだよ」
「僕がお金を払えば、みんなに危害は加えない。そう約束したんだ。だからもうほっといてよ」
昨日のことを思い出し、愛翔に問う。
「愛翔…。五万渡したのか?お金どうしたんだよ?」
「…お年玉を貯めていた預金を下ろした」
「愛翔、一度渡すとどんどん要求してくるよ」
「まだお金ならあるから、当分大丈夫だよ」
「ばか、そんなはした金で、奴等は満足しなくなる」
「羽瑠に迷惑掛けたくないんだ」
「愛翔…。俺が金を取り返してくる」
思わず立ち上がった私の手を、広基が掴んだ。
「羽瑠、熱くなるな。奴等がすんなり返すはずかない。飛んで火に入る夏の虫。奴等はお前を待ってる」
「…大地、じゃあ泣き寝入りしろって言うのかよ」
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