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「羽瑠や愛翔の手におえる相手じゃねぇ。咬風―KAMIKAZE―は俺達に任せな」
「大地…お前ら」
広基や別所、城ヶ崎が不敵な笑みを浮かべた。
この三人…
ただ者じゃない。
『ドン引き』の話をした時、羽瑠が過剰反応しヒーヒー言ってたことを思い出し、私は三人に視線を向ける。
そう言えば三人が店に姿を見せた時、店内にいた者が全員立ち上がり頭を垂れた。
「嵐、お前ら…」
チャイムが鳴り、三人が空を見上げる。どんよりとした空。今にも雨が降りそうだ。
「今夜は走れねぇな」
城ヶ崎がポツリと呟いた。
「野良犬を捕獲するにはちょうどいいかも」
別所が広基に視線を向ける。
灰色の空から、ポツポツと雨が落ちる。屋上にいた者達が一斉に階段を駆け降りた。
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