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咬風なんて、案外チョロい。
そう思った矢先だった。
刃芝が愛翔に金属バッドを渡したんだ。
愛翔は広基相手に、金属バッドを振り回している。広基は呆れたように愛翔を見ている。
愛翔の振り上げた金属バッドを瞬時に避け、右手でバッドの先を掴んだ。
「大地…」
「愛翔、目を覚ませ」
「…離せ!大地!」
「愛翔!俺達は友達だろう。神風に惑わされるな!ヤツに何を言われたか知らないが、お前の居場所はそこじゃねぇ!」
広基は愛翔から金属バッドを奪い放り投げた。
愛翔の目は潤み、唇を咬み締めた。
このまま愛翔を神風のところに置いて行くわけにはいかない。
俺は愛翔の腕を掴む。
「羽瑠…」
「行こう」
「久本、お前ソイツらと行くのか。それでいいんだな」
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