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「幸田か、目障りなヤツめ」
「殺れ」
情念が怪我をしていない右手でブンブンと木刀を振り回す。刃芝が金属バッドを握り締めた。
「うわ、野球するならグラウンドに行こうぜ」
「幸田、ふざけんな!」
刃芝に追い掛け回され、思わず城ヶ崎の背中に隠れた。
「羽瑠、お前どうしたんだよ?いつもの羽瑠らしくねぇな」
「…っ、ちょっと鬼ごっこしただけだ」
俺は城ヶ崎の後ろから飛び出し、少林寺拳法の構えをする。
金田と吾川はすでに腰が引けている。
俺が本当は強いってことを見せてやる。俺は瑠羽と同じ武道を習得し、同じ黒帯だ。瑠羽と違うのは、勇気が欠落しているだけ。
「てめぇら、掛かって来い」
金田と吾川のパンチを瞬時に交わし、回し蹴りをすると、金田の頬に食い込み金田の体が宙を飛んだ。
まぐれ当たり!?
「羽瑠、なかなかやるな」
城ヶ崎が吾川を叩きのめした。情念は片手で木刀を振り回している。
良矢は素手で情念に立ち向かう。
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