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「ママ、行ってきまーす」
「はい、行ってらっしゃい」
「母さん、俺も隣に行く」
「お願いね、羽瑠」
瑠羽は俺を追うように、部屋を飛び出す。
母はそんな俺達を笑顔で見送った。
玄関を飛び出すと、瑠羽が俺の首根っこを掴む。
「羽瑠、足」
「足?いけね、学校のスニーカー履いて出た」
「ばーか。せっかくお洒落したのに、センス悪すぎだよ」
「しょうがねぇじゃん。母さんには見抜かれそうで、つい…」
「とにかく、真城を振ってきて。いいわね」
「はいはい」
瑠羽は愛翔の部屋の鍵を開け、室内へと消えた。
「頼んだからな、瑠羽」
俺よりも愛翔と仲が良かった瑠羽。
きっと愛翔を闇の中から連れ出してくれるだろう。
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