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羽瑠が泊まりに来ても、部屋から出るつもりはなかった。
話をするつもりもなかった。
何をどう話しても解決なんてしないし、羽瑠が熱くなるだけ。
でも…
ドアを開けずにはいられなかった。
男のようなしゃべり方をしているが、この僕が聞き間違えるはずはない。
この声は…
僕はドアノブに手を掛ける。
ドアをゆっくりと開いた。
僕の目の前に立っていたのは、羽瑠だ。羽瑠の洋服、羽瑠のジーンズ。
羽瑠と瑠羽は身長も体重もほぼ同じ。顔も瓜二つ。
違うところがあるとすれば、手と足。羽瑠の方が手は若干ゴツゴツし、足のサイズも大きい。
僕はゆっくりと視線を落とす。
羽瑠の足には…
淡いピンク色のソックス。
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