禁断の扉

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愛翔の口元が緩む。 「僕が兄貴?羽瑠は僕のことを頼りないって思ってるくせに」 「…そうだけどさ」 こんなとき、羽瑠ならなんていうんだろう。私、わかんないよ。 羽瑠の振りをしないといけないのに、羽瑠に成りきれてない気がして。 言葉を選びながら、喋ってる自分がいる。 「ありがとう…」 不意に抱き締められた私。 愛翔に…抱き締められてる? 羽瑠と愛翔のハグ… 男同士なんだから、ハグくらいするよね。不意にカフェでのキスが脳裏に浮かんだ。 私は愛翔の背中をパンパン叩きながら、羽瑠みたいにバカ笑いする。 でも愛翔は私の肩に顔を埋め、私を抱き締めたままだ。 …ヤバい。 ドキドキする。
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