禁断の扉

20/21
前へ
/21ページ
次へ
結局、お風呂には入らず、和室に布団を敷く。愛翔は部屋から自分の布団を持って来て、隣に敷いた。 愛翔と私は幼なじみ。 羽瑠と三人で川の字で寝たことは数えきれないくらいある。 いつも真ん中が羽瑠。 だから意識したこともなかった。 今夜は真ん中に羽瑠がいない。 二つ並ぶ布団。 ピッタリ引っ付いた布団。 カーッと体が熱くなり、急にドキドキしてきた。私変だ。ここに来て、ずっと変だ。 男装し羽瑠の振りをしているのに、羽瑠と愛翔がそんな関係だと思うと、私が実は瑠羽で正真正銘オンナなんだって、白状した方がいいのか迷う。 愛翔はすでに入浴を終え黒のスウェットスーツだ。 「羽瑠、僕のパジャマでよければ貸すよ」 目の前に差し出された男物のパジャマ。 愛翔の目の前で着替えられないよ。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

85人が本棚に入れています
本棚に追加