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「僕が手伝ってあげる」
「ふぇっ…」
愛翔が私の上着に手を伸ばした。
「や、や、や、」
「羽瑠、恥ずかしがらないで」
「やぁ…」
敷き布団の上で、私は思わず後退りする。
女の子みたいに可愛くて、大人しい愛翔が意地悪な顔に見えるのは…気のせい?
「は、早まるな愛翔。俺達は男と男だ!二人きりで同じ部屋で布団を並べて寝るなんて…」
「羽瑠、男同士だから別にどうってことはないだろう。僕達、三人でよくこうして寝たし。今夜は瑠羽がいないだけだよ」
「…愛翔は部屋で寝なよ」
愛翔は私をギュッと抱き締めた。
「せっかく羽瑠が来てくれたんだ。今夜は二人で夜を過ごしたい」
「きゃああー…」
思わず悲鳴を上げた私。
――その時…
マンション周辺で、けたたましい爆音が響いた。
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