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洗顔を終えた羽瑠と愛翔は特攻服に釘付けだ。
目で『どうするんだよ』って、私に訴えている。
「愛翔君、和食好き?」
「はい。わざわざありがとうございます。ご心配掛けてすみませんでした」
「元気な顔が見れて嬉しいわ。この白い衣装、翼のかな?今度は暴走族役なの?昨日の暴走族って、もしかしてドラマか何かの撮影だったのかな」
ちょっと天然ぽい母は、咬風―KAMIKAZE―が昨日マンションで騒ぎを起こしたことも、テレビ局の撮影だと勘違いしているようだ。
「そうなんです。テレビ局から事前に撮影の話ありませんでしたか?おかしいな」
愛翔の嘘にまんまとハマる。
「事前に?知らなかったな。うっかりしてたわ」
「ママそんなことより食べよう。お腹ペコペコ」
「はいはい、じゃあいただきます」
「「いただきます」」
食事をしながら女装している羽瑠を見つめ、ママが楽しそうにクスリと笑った。
「まだパパには敵わないわね」
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