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「僕はもう大丈夫、両親が帰るまで一人でいる」
「でも、また咬風―KAMIKAZE―がここに来たら」
「もうここには来ないよ。集会に行けば学校でも関わらないと約束したんだ。警察にも目をつけられてるし、神風もバカじゃない。もう無謀なことはしないよ」
愛翔をマンションに残し、私は羽瑠と一緒にドン引きに向かう。
愛翔が気になり、本当は一人で行くつもりだったのに、心配だといって羽瑠が無理矢理くっついて来た。
女装した羽瑠を『可愛い』と言った城ヶ崎。羽瑠と城ヶ崎を逢わせたくない。
――三星工業高校の隣にある『ドン引き』は、日曜日もヤンキーの溜まり場。
昼時間を過ぎているのに、店の外にはヤンキー座りをしている男子が数名、席が空くのを待っている。
私は男装し、羽瑠は女装。
今日の羽瑠は、クラシカルなピンクと黒のチェック柄。ショートパンツとトップスのセットアップ。
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