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縛られている私は、身構えることも出来ない。室内には母も就寝している。
母を危険な目に合わせるわけにはいかない。
暗闇で部屋のドアがゆっくりと開いた。人影が私に視線を向けた。
カチッと音がし、室内が一気に明るくなる。眩しくて思わず目を閉じた。
「瑠羽!大丈夫!?すぐにほどいてあげる」
「愛翔…。無事だったの」
思わず安堵し、愛翔を見つめる。愛翔は後ろ手に縛られていたロープをほどいた。
拘束から解き放たれ、体が自由になる。
「愛翔、良矢と羽瑠は!?」
「良矢と羽瑠は神風を拉致し、アジトに向かった。神風中に電話させ、呼び出すことに成功した」
「第一段階はクリアしたんだね」
「うん。まさか…羽瑠だとは思わなかったよ」
「羽瑠だけに任せておけない。私も行く」
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