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ドアノブに手を掛けた私に、愛翔が背後から抱き着いた。
「愛翔…」
「瑠羽を行かせないよ。羽瑠は瑠羽を縛ってまで封じたんだ。瑠羽を守りたい気持ちは、僕も羽瑠も同じだから」
「愛翔…行かせてよ。私が計画したの。自分が計画したのに、傍観しているだけなんて出来ない。羽瑠や良矢達に何かあったら…」
「瑠羽、落ち着いて。羽瑠が必ず上手くやる。必ず帰って来る。それまでここで待つんだ」
愛翔に抱き締められたまま、私はその場に踞る。
どうして私は女なんかに生まれたんだろう。
私が男なら…
みんなと一緒に闘えるのに。
何もせず、待つということは、闘うことよりも辛い。
苦しくて…
怖くて…
愛翔の腕にしがみつき、私は涙を溢した。
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