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計画では愛翔も咬風―KAMIKAZE―のアジトに同行する予定だった。
だが、俺はその計画を崩す。愛翔を危険な目にあわせたくなかったから。
瑠羽に言われたんだ。
『死なないで』って…。
この勝負は…
生死を賭けた勝負なんだって、その時悟った。
急に怖くなり指先が震えた。
生死を賭けた勝負なら、俺一人で十分だ。
神風にカッターナイフを突き付け、バイクの後ろに跨がる。バイクのニケツも初体験。暴走族のアジトも初体験。
同じ初体験なら、もっと楽しい初体験がしたかった。
今夜、死ぬわけにはいかねぇ。
俺はまだひとみに告白してねぇんだ。
楽しい初体験も、まだ未体験なんだ。
意地でも、奴らを叩きのめす。
別所の無念を晴らすため、咬風―KAMIKAZE―を法に委ね、解散に追い込む。
俺の極上初体験を手に入れるために。
「下手な運転すると、喉を切り裂くよ」
暗闇を走り抜ける二台のバイク、途中から白龍連合と合流する。
連なるバイクは…
悪魔のアジトへと向かった。
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