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「瑠羽、自分の言ってることがわかってるのか。お前、咬風―KAMIKAZE―に殺されるかも知れないんだよ」
「わかってるよ。だから羽瑠に頼んでいるの。私は良矢のお兄さんみたいに闇に葬られたくはない」
「瑠羽…」
「今夜羽瑠は愛翔のところに泊まることになってるわ。藍里さんは大阪でライブだし。パパと翼さんはお嬢様事件簿の撮影で明日の早朝でないと帰らない。家にいるのはママだけ」
「咬風―KAMIKAZE―のアジトは…」
「白龍連合のアジトは埠頭第七倉庫。黄色いペンキの塗られた倉庫だからすぐわかる。咬風―KAMIKAZE―のアジトは埠頭の中でも一番古い廃墟の倉庫だよ」
「どうやって白龍連合を誘き寄せるつもりだよ」
「それはちゃんと考えてある」
「引退した中が、アジトに来るとは思えない」
「神風を拉致し、中をアジトへ誘き寄せる」
羽瑠は驚愕の表情を浮かべた。
本当は一か八かの賭けだ。
神風中が弟を救う為に、アジトに姿を見せるかどうかもわからない。
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