対決

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「本当に一人で来たの?」 「約束だからな」 マンションの外に出る。 周辺には誰もいない。 「嬉しい」 神風に抱き着くと、神風はニヤリと口角を引き上げた。 黒い特攻服。 背中には般若の顔と、血塗られたような咬風―KAMIKAZE―の文字。 神風が僕に気を許した。 足音も立てず近づいた別所と瑠羽。 だけど神風は二人の接近に気付いていた。僕を片手で抱き締めたまま、神風は別所の腹部に足を食い込ませる。 「…ぐぁ」 別所の体が宙を舞い、ドスンとアスファルトに叩き付けられた。 瑠羽が危ない!! 僕はジャンパーのポケットから、カッターナイフを取り出し、静かに刃を出す。 そして刃先を、神風の首に当てた。 「神風君、僕の友達に乱暴しないで」 「愛翔…、お前俺を裏切るのか」
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