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マルティーヌ女学院高校は、現代版大奥だと言われている。
禁断の花園。
そこにお殿様ならぬ、女装した男子高校生が足を踏み入れたとなると、大スキャンダルだ。
私だって、退学になりかねないし、何より蘭子やひとみ、クラスメイトの心のケアは必須。
これはなんとしても、誤魔化さないと、大変なことになる。
「ひとみ…」
私はひとみを両手で抱き締めた。
「瑠羽…」
「あの日のこと覚えてるよ。ひとみは私に『羽瑠君から告白されたい』って言ったよね」
「えっ…。瑠羽…覚えてるの?」
「うん。だって、私ずっとひとみと一緒だったし。私と羽瑠が入れ代わるわけないでしょう。私時々ハメ外すし男勝りだけど、気にしないで」
「瑠羽…。真城君が変なこと言うから、混乱しちゃった。瑠羽と羽瑠君そっくりだし、そうかもって一瞬思ったの。ごめんね」
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