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「剛くんの落ち着きのなさは
年齢が上がるにつれおさまってきたわ。
ただアスペルガーの症状が
ますます色濃く現れるようになったの」
「色濃く…?」
「ええ。今、彼は小学6年生なんだけど
5年生で学校の移動教室に行ってね。
宿泊していた旅館の中で
行方不明になり大騒ぎになったそうよ」
「旅館の中で行方不明…ですか?」
達也が目を丸くしながら聞き返すと
「そうよ」
安西が喉を潤すようにまた麦茶を口に含んだ。
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